ホーム食べてみた! ~N1の食レポ~巡るカレーライス周期と料理実感を満たす キーマ―カレーという最適解

食べてみた! ~N1の食レポ~
巡るカレーライス周期と料理実感を満たす キーマ―カレーという最適解

つまりカレーライスが大好きなのです
日本の国民食ランキングがあるなら、トップテン確実なのがカレーではないでしょうか。けれど、カレーの発祥地が日本ではなくインドであることは、国民の多くが知っているはず。そのインド料理の基礎となるスパイスを英国が持ち帰り、18世紀末にカレー粉を発明。これが明治初期の日本に入ったのを起点として、インドとも英国とも異なる独自のカレーが誕生した経緯はご存じだったでしょうか。
いえ、ウンチク自慢をしたいわけではありません。前段落では便宜上「カレー」と表記しましたが、僕らが国民食に挙げて良しとするのは、「カレーライス」に他ならない事実を、改めて皆さんと共有したいだけなのです。
何が言いたいかというと、日本人は外国文化の研究と改良が得意ゆえ、最初は見た目や香りに驚く南蛮渡来品ですら、伝統的大好物の白米との融合を試みるわけです。その史上最大の成功例がカレー、ではなくカレーライスであると。
あくまで個人的な話ですが、大人になってからインド料理店でカレーを食べたとき、ナンに物足りなさを覚えました。ナンはナンで滋味深いけれど、やはり白米じゃないと完結しない気分になったので、これは別物なんだと自分に言い含めた記憶があります。
一方、インドの人が日本のカレーライスを目の前にすると、「これはカレーじゃない」と苦笑いを浮かべるそうですね。でも、美味しく食べられるらしい。彼らにとっても「カレー」と「カレーライス」は別物であり、だからこそ各々の国民食としてケンカすることなく成立させられるのかもしれません。
以上、そんなカレーライスが大好きと述べるための前置きでした。

2皿分1袋に小分けされているのも助かります。計4袋入りです。
トマト使用にまで踏み込んだ変化球的ルウ
とは言え、この歳になって外でカレーライスを食べるのは、舌が子供と揶揄されそうで、いささか気が引けます。であれば、こっそり自宅の独り飯で。そういう心持ちが1か月半周期で巡ってきます。そのタイミングで重宝しているのが、『ドライキーマカレー』。理由をお話します。
本当は、というのも変だけど、気兼ねなく一人で食べるなら、母親が用意してくれたような、あるいは皆でわいわいつくるキャンプ飯のような、汁気の強いありきたりなカレーライスにしたいんですね。そこで当初は、一般的な固形ルウを買ってきて、〈つくり方〉に従って調理してみました。なのに、なぜか求める仕上がりにならなかった。なんでだろう。煮込み料理が下手過ぎるのかな。または、定番の家庭調理は人任せのほうが美味しいという思い込みが抜けないからかな。
それでも自宅カレーライスの心持ち周期は巡ってきます。そこで手に取ったのが、『ドライキーマカレー』でした。キーマは、ヒンディー語で細切れ肉や挽肉を意味するそうです。ただしヒンドゥー教徒は牛肉や豚肉を口にしないので、鳥や羊の肉を使うらしい。日本で挽肉と言えば、牛か豚、ないしは牛と豚の合い挽きが主流なので、ここも「カレー」と「カレーライス」の分岐点になっているのでしょう。
さておき、特にキーマカレーが好きではなかったけれど、「汁気の強いありきたり」とは異なる変化球的な特徴に惹かれました。なおかつ『ドライキーマカレー』は、無水かつトマトを使うところにも興味を持ったのです。僕が見た限りのキーマカレー・ルウの中で、トマトにまで踏み込んだのはそれだけ。その、料理をする実感を高めてくれそうな手間数が決め手になりました。そうした意気込みは、自炊にこそ大事なのです。

ちょっと気張って、指定材料にない食材を追加。受け入れてくれると信じて。
カレーライスの日には白米を炊くこと
『ドライキーマカレー』を語るなら、パウダールウに触れるべきかもしれません。メーカーのS&Bによる独自の特許技術だそうな。その件は、吉田 羊さんが出演したテレビCMで知りました。好きな女優さんが「すごいよ」と言えば、「そうなのか」と信じてしまうのは広告の力なのでしょう。
ただ、どれくらい「すごい」かは、カレールウを比較検討した経験がない僕にはわかりません。ひたすら玉ねぎをみじん切りにし、トマトを1センチ角に切って炒めて、一袋2皿分のパウダールウをまんべんなく振りかけるだけ。そこに一切の不満はないし、あるいは実際に「すごい」のは、みじん切りや1センチ角切りを上達させてくれたことかもしれません。
そんな素敵な『ドライキーマカレー』なので、常に一定の味わいに達してくれます。もう一歩踏み込むなら、隠し味的な調味料を研究してみるとか、挽肉カレーに合いそうな具材選びを楽しむのがよさそうです。今回は、基本材料とされている玉ねぎとトマトの他に、しめじ・パプリカ・ナスを足してみました。いろんな味がして美味しかったです。
そして何より大事な約束事は、カレーライスの日には白米を炊くこと。「カレー」ではなく「カレーライス」として1か月半で巡ってくる気分には、炊き立てのご飯でなければ無礼です。その律儀さが、『ドライキーマカレー』の味わいをさらに引き立てるのかもしれません。知らんけど、ですが。
そんなこんなで、今のところ挽肉カレーライスに飽きは来ていませんが、白飯をひたひたにする「汁気の強いありきたり」を諦めたわけでもないのです。そのどうでもよさそうな願いを叶えてくれるルウに出会えたら、必ず報告します。

ひとまずの作例。必ず失敗する温泉卵添えは、意欲と認めてやってください。
田村十七男
訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!
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コジカism
夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。
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