ホーム食べてみた! ~N1の食レポ~“思い込み”のおかげで実現。 冬の朝食、二つの名産地スープ飲み比べ。

食べてみた! ~N1の食レポ~
“思い込み”のおかげで実現。 冬の朝食、二つの名産地スープ飲み比べ。
冬の朝、マグカップから立ち上る湯気
わが家の朝は基本、パン食だ。一緒に飲むのは、その日の気分でカフェオレかミルクティ。しかし、本格的な寒さがやってくると、温かいスープが恋しくなる。もちろん、朝からコトコトと煮込むわけもなく、お湯を注ぐだけのインスタントスープの出番である。
そんな私の心を見透かしているかのように、近所のスーパーでは通路に面した棚の端、いわゆる「エンド」に特設のスープコーナーが設けられていた。小さなころから馴染みのある『クノール』のカップスープをはじめ、見たことのないパッケージの商品がずらりと並ぶ。なかでも目に留まったのが、2つの「玉ねぎスープ」だった。「北海道ダイニングキッチン/北海道たまねぎポタージュ」と「淡路島たまねぎ工房/淡路島フルーツ玉ねぎスープ」。どちらも初めて手にする商品だ。
北の北海道か、南の淡路島か。どちらも玉ねぎの名産地として、パッケージの主張も個性的だ。これはぜひ飲み比べを楽しみたいと、両方をカゴに入れた。
カップに入れて気づく、タイプのちがい
さっそく翌朝、焼きたてのパンに合わせて2種類同時に、娘と飲み比べをしてみることにした。それぞれの粉末をマグカップに入れた瞬間、私は自分の凡ミスに気づく。
「あれ、片方はポタージュ?」
よくよくパッケージを見直すと、北海道の方にはしっかり「ポタージュ」の文字。しかも、美味しそうなカップの写真入りではないか。 私は勝手に「玉ねぎスープ=コンソメタイプ」という先入観を持っていたのだ。これはおそらく、慣れ親しんだ『クノール』のイメージが強すぎるせいだろう。私にとって、ポタージュといえばコーンかポテト。玉ねぎといえば、オニオンコンソメ。その刷り込みが、またしても私を「思い込み購入」という行動へ導いたのだ。とはいえ、最初からポタージュタイプだと気づいていたら、おそらく買ってはいなかっただろう。せっかくの機会、思い込みを逆手に取って、タイプのちがいを楽しもうではないか。
本格派のポタージュと、こだわり派のコンソメ
両方にお湯を注ぎ、まずは北海道の「たまねぎポタージュ」から。3食入りで1袋あたりの単価も高く、自ずと期待値が上がる。猫舌なので火傷に気をつけながら一口。とろりとしたテクスチャー、濃厚で贅沢な一杯という第一印象だ。
だが、あまりに玉ねぎ感あふれる濃厚さのためか、私には少し甘みが強く感じられた。野菜のポタージュはどれも大好きなのだが、自分で作る時はあくまで玉ねぎは「深みを出す名脇役」。玉ねぎが主役として完成されたこの濃密な甘みは、寝起きの体には少々リッチすぎたのかもしれない。
気になって後でウェブサイトをチェックしてみると、そこには「夕食向けのポタージュ」との記載が。なるほど、できればパッケージの目立つところにも、その提案を記しておいてほしかった。
続いて、淡路島の「フルーツ玉ねぎスープ」。こちらは10食入りでコスパも良く、お湯を注ぐと私の求めていた、あの澄んだ琥珀色のスープが現れた。そうそう、これこれ! 『フルーツ玉ねぎ』と銘打つだけあって、もちろん甘みはしっかりある。しかし、コンソメの塩気と玉ねぎの旨味のバランスが絶妙で、後味もすっきりしている。
ごちそうさまでした!
半分ずつカップを交換して、14歳女児にも意見を聞いてみると、即座に「朝から飲むなら、絶対コンソメタイプ!」と同意見。ポタージュを「濃厚で美味しい」と認めた上で、「でも、朝にこのポタージュは重すぎる」とのこと。メーカー自ら「夕食向け」と謳っているわけだから、当然の感想か。
朝から二つのスープを飲み比べるなんて、贅沢な一日の始まりとなったが、朝食用に選ぶとなるとわが家では「淡路島フルーツ玉ねぎスープ」に軍配が上がった。ただし、北海道のポタージュはアミノ酸などの調味料や保存料が不使用。このこだわりがコスパの差に繋がっているのだろう。「次は自分でも、玉ねぎが主役のポタージュを作ってみよう」。そんな気にさせてくれる、発見の多い朝食となった。
総評
*淡路島フルーツ玉ねぎスープ
リピートの可能性(総評):★★★★☆
味:★★★★☆
ボリューム:★★★☆☆
手軽さ:★★★★★

コジカism
夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。
使い方に関するお問合せはこちらからお願いいたします
お問合せN1レポーターのご紹介

田村十七男
訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!

コジカism
夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。
おすすめ記事
冷凍食品で出会った“予習”の一杯と、母娘で描く実店舗への野望。
最近、わが家の中2女子がすっかり虜になっているものがある。日本各地、さらには台湾にまで進出している有名チェーン店「東京油組総本店」の油そばだ。きっかけは、仲良しのお友達に「近所に前から気になってるお店があるから、一緒に行こう」と誘われたことだった。その時の娘は、正直なところ「油そば? まあ、いいけど」という、付き合い程度のテンション。ところが、いざ食べてみるとその美味しさに衝撃を受け、気づけば誘ったお友達と一緒に、二人揃って熱狂的なファンになって帰ってきた。どうやらその店舗は、ファンからも「ここが一番おいしい」と絶賛される人気店だったらしく、期待値が低かった分、いきなり“当たり”を引いてしまったギャップが相当大きかったようだ。今では、試験終わりや遊びに行くたびに二人で「油そば食べたい!」と繰り返すほど、中毒性の高い一品になっている。

コジカism
加工食品New“ムダ”に価値を見出す「ムダパ」は、食の新しい物差しになるのか
最近、「ムダパ」という言葉を目にする機会が少しずつ出てきました。日経MJでは2026年1月に「2026年『ムダパ』への旅 4割がタイパ疲れ、無駄な時間で豊かに」という特集が掲載され、コスパ・タイパの次に来る価値観として紹介されています。ただし興味深いのは、この言葉の意味がまだ一つに定まっていないことです。ある記事では、ムダパは「人それぞれにある大事な無駄」と捉えられ、家事や仕事はタイパ重視でも、旅行や食事には時間をかけたいという生活者感覚が紹介されています。一方、商いの文脈では、ムダパは効率の反対ではなく、未来の繁盛につながる“商人の財産”として語られています。この解釈の揺れ自体が、いまの生活者の気分を映しているのかもしれません。
New賞味期限10分が意味するもの――“その瞬間”を売る食の可能性
売場や飲食シーンで、「しぼりたて」「生削り」「蒸したて」「できたて」といった言葉を目にする機会が増えているようです。さらに、「賞味期限10分」といった極端に短い時間を打ち出す商品も登場しています。これらは保存性や利便性とは逆の価値です。あえて“今この瞬間しか味わえない”ことを前面に出している点が特徴的です。こうした動きは、単なる出来たて訴求にとどまらず、“時間そのものを価値として提示する”試みとも捉えられます。
New