ホーム食べてみた! ~N1の食レポ~懐かしい記憶が一緒によみがえる、 「予約でいっぱいの店」の味を自宅で。

食べてみた! ~N1の食レポ~

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懐かしい記憶が一緒によみがえる、 「予約でいっぱいの店」の味を自宅で。

加工食品
コジカism
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ちょっと贅沢、自宅で名店のパスタ

もともと麺類が好きということもあって、自宅を職場にしていると、ランチのパスタ頻度はかなり高い。とはいえ、もっぱら市販のソースを茹でた乾麺と和えるだけ。今日はどの味にしようかと数秒悩む程度で、選択肢に強いこだわりがあるわけではない。そんな私が、今回スーパーの陳列棚で目を釘付けにされたのは、パスタソースには珍しい漆黒のパッケージだった。『S&B 落合務の代表作 うにのクリームソース』。パスタとお皿の部分だけが艶やかに光り、そのほかはマットな仕上がり。その高級感あるデザインは、レトルト群の中で一際、存在感を放っていた。

ふと、まだ若かりし頃の記憶がよみがえる。オフィスの近くに、落合務シェフの名店「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」があった。ネット予約など存在しない時代、ランチの席を確保するには、オープン前に店頭に設置される「記名帳」に手書きで名前を書き込むというアナログな方法のみ。改めて検索してみると、「朝、店頭に予約ボードが出され、そこに記名してランチの時間に戻る仕組みだった」という当時の情報がいくつも出てくる。

「10時に行ってなんとか名前を書いた」「あの記名のために朝から並んだ」など、2000年代の古いグルメブログやクチコミに綴られた、かつての過酷な予約争奪戦。当時、同僚たちと「いつ行く?」とスケジュールを調整し、手の空いたメンバーが中抜けをして記名しに行くというスタイルは、あの時代の銀座で日常を送っていた人たちの、いわば「暗黙のルール」だったというわけだ。

1食265円は、高いのか安いのか

今回、手に取ったソースはスーパー価格で税込265円。普段、2〜3食入りで同じくらいの価格のソースを選んでいる身からすれば、1食分でこの価格はちょっとした贅沢だ。しかし、素材は「ウニ」である。自宅での食事のために、わざわざ生ウニを調達してパスタソースをイチから作るなんてことは、この先もまずあり得ない。つまり、1食265円で名店の「代表作」をいただけるのだと考えれば、むしろ極めて合理的な投資といえる。私は箱をカゴに入れ、レジへと進んだ。

ランチのパスタはいつも軽めに70〜80gなのだが、今回は高級ソースへの敬意を表し、パッケージの指示どおり「100g」を茹でることにした。余談だが、袋から取り出した麺が、目標のグラム数ぴったりだったという経験はないだろうか。この日も集中して麺をつかみ、スケールへ。表示された数字は、ジャスト「100」! 嬉しくてつい、写真に収めてしまった。そして、この小さなチャレンジへの成功がもたらすプチハッピーは、名店のソースを味わう前の期待を、さらに一段階高めてくれることとなった。

「箱のままレンチン」という、合理的なスタイル

調理において特筆すべきは、パッケージの構造だ。箱の上部をパカっと開け、中の袋を箱に入れたまま電子レンジで温めるという、私にとっては初めてのスタイルだった。 もちろん湯せんも可能だが、迷わずレンチンを選択。よくある「中袋を皿に乗せてレンチン加熱する」タイプは、そのために洗い物がお皿一枚増えることにいつもなんとなくストレスを感じていた。それが、捨てるはずの箱をそのままスタンドとして利用するという発想。この「名もなき手間」を省く合理的な工夫には、軽く感動すら覚えた。

パスタが茹であがる30秒前にソースを加熱。茹で汁を切り、お皿へ移した瞬間にソースを絡める。いちばん美味しいタイミングでいただきたいと、急いで口に運ぶ。うん、「濃厚なうにの旨みと生クリームの深いコク」というパッケージのコピーに、偽りなし。北海道産生クリームと厳選ウニの旨みが溶け込んだ濃厚なソースで、まったりと口の中が満たされる。ハイ、お家でこれは作れません!

ただ、かつてのお店の味と比較してどうかと問われれば、正直に言って記憶は曖昧で、「あのときの味!」のような感動はない。しかし、先日たまたま別のレストランで生ウニをふんだんに使ったパスタをいただいたばかり。その鮮烈な味の記憶と比較すれば、「じゅうぶんに美味しいし、レトルトの域は超えているかな」という感じだ。何より、キッチンに立ってわずか数分。麺を茹でるだけでこのレベルの味が楽しめるならば、これは「ストックしておきたい贅沢」である。

ごちそうさまでした!

後日スーパーへ行くと、なんとこの商品、ちょうどパッケージを刷新したばかりで、後継商品が並んでいた。新しいパッケージは、今の「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」の店内をイメージしているのか、明るいテーブルの上にパスタが配されたデザイン。私の目を釘付けにした漆黒のパッケージとは真逆の、白を基調とした軽やかなトーンだ。 ウェブサイトによれば、このシリーズは2026年に発売25周年を迎えるという。四半世紀もの間、名店の味わいを提供し続けてきた老舗シリーズの存在にようやく気づいた瞬間に、リニューアルという時代の変わり目に立ち会うこととなった。

ちなみに、同時に購入した『アラビアータ』も後日試してみたが、こちらは至って「一般的なアラビアータ」という印象。もちろん美味しかったのだが、個人的には、自宅で再現不可能な「うにのクリームソース」を強くおすすめしたい。果たして新パッケージになったソースは、さらにシェフの厳しい監修によりレベルが上がっているのだろうか。旧商品の味を忘れないうちに、それを確かめる必要がありそうだ。

総評

リピートの可能性(総評):★★★★☆
味:★★★★☆
ボリューム:★★★★☆
手軽さ:★★★★★

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夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。

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  • 田村十七男

    訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!

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    夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。

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