ホーム食べてみた! ~N1の食レポ~冷凍食品コーナーを巡る旅 その2 あえて手間のかかるハンバーグ2選

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冷凍食品コーナーを巡る旅 その2 あえて手間のかかるハンバーグ2選

普通のサーロインステーキに勝る挽肉の肉肉しさ

挽肉ってのは、なぜああも美味いんだろうと思うのです。GoogleのAIによると、「旨味と赤身が細かく混ざり合うことで生まれるジューシーな食感と旨味。加熱時に溶け出す濃厚な脂のコク」が理由だそうな。単語の重複が気になる説明ですが、驚くほど滲み出る脂の旨味が決め手ということなのでしょう。個人的には、ごく普通のサーロインステーキより肉肉しさが感じられる点を追記したいところです。
その挽肉の肉肉しさ、子供の頃は苦手でした。たとえばコロッケとメンチカツでは、断然コロッケ派。ちゃんと火が通っていたのだろうけど、赤味の肉に感じた臭みがどうもダメだったのです。メンチカツ派の年子の弟には、「この味がわからない兄貴はガキだな」と蔑むような表情を浮かべられたんだっけ。
なのにいつの間にか、あの臭さこそが挽肉の肉肉しさと感じられるようになった。そうした味覚の変化は何を要因にして起こるのだろう。さておき、今となってはコロッケよりメンチカツが好きになったことは、弟に伝えていません。「今さらそんな話をする兄貴は……」と飽きられるのが目に見えているから。
またしても前置きが長くてすみません。比較的簡単に食せる挽肉料理の代表として、今回はハンバーグを選びました。子供がよろこぶメニューながら、挽肉好きにとってもあれほどの固まりを頬張れるものは他にありません。
そんなわけで、以前の『讃岐小豆島カレー手延うどん』に続く、冷凍食品コーナーを巡る旅へ。おもしろそうな、いや美味しそうなハンバーグを物色してきました。
レストランの味vsデミグラスソースNo.1ブランド
趣味的に冷凍食品を探すなら、ちょっと遠くても取り扱いが多いスーパーマーケットに行くほうが楽しい。これは、最初の旅で学んだ知恵です。そうしてクルマで約10分の店で出会った、2種のハンバーグを紹介します。
まずは『ジョイフルのハンバーグ』。商品名でわかるように、有名なファミレスが提供する一品です。パッケージに「おうちでつくるレストランの味」と明記されているので、店のハンバーグに近いのかもしれません。
『ジョイフル』はさらに、「ビーフ100%使用」と銘打っています。それによって同額帯の他製品にくらべて小さめの、1個入り146gとしたかは不明ですが、今回はサイズが気になりませんでした。
もう一つは、『ハインツ 本デミグラスグリルハンバーグ』。こちらはブランド名に惹かれたところが大きいです。何しろトマトケチャップは、利便性を追求した逆さボトルのデザインに敬意を表するハインツ派なので。
これは買ってから知ったのだけど、間もなく創業160周年を迎えるハインツは、デミグラスソースNo.1ブランドなんだそうです。となればソースもさぞ美味しいのでしょう。ちなみに『ハインツ 本デミグラスグリルハンバーグ』は、牛肉・鶏肉・豚肉の合い挽き。内容量は160gです。
ではここで、冷凍食品コーナーの数あるハンバーグの中から上記の2品を選び抜いた理由を発表します。信頼に足る店名やブランド名もさることながら、調理に手間がかかるから。もし僕が時短優先の家事担当者だったら、確実に敬遠するくらい、なかなかに挑戦的な段取りなのです。

パッケージから出した状態。『ジョイフル』は、ほぼタネですね。
火による加熱が引き出す肉肉しさと、デミグラスソースと白飯の相性
『ジョイフルのハンバーグ』の調理工程の最上段には「おいしい焼き方」と記されています。冷凍食品と言えばレンチンのみと思い込んでいた僕にすれば、フライパンを使って焼くなんて、孤独の荒野をさすらうアウトローみたいでした。店の味に近づけるには、これが最適な方法だったのでしょう。ジョイフル愛好家なら「よくやった!」と褒めるかもしれません。
焼く前に電子レンジで解凍。片面の中央をつぶし、蓋をして、両面ともに約2分30秒。
忙しい方には不向きながら、僕には楽しい焼き工程でした。
対する『ハインツ 本デミグラスグリルハンバーグ』は、たぶんポピュラーな湯煎式。ただし所要時間は約17分。〈召し上がり方〉を二度見して、「そんなに!」とつぶやいてしまいました。
前に冷蔵のハンバーグを買ったとき、湯煎時間は10分以内だったと思うのです。そのあたりは商品によって異なるのでしょうが、それでも17分は最長クラスに属するはず。これもハインツ信者であれば、ありがたく受け入れるかもしれません。

ハインツは、約17分間ひたすら湯の中へ。
そんな特徴的な二品をカゴにいれて、一つのアイデアを思いつきました。『ハインツ』を温めている間に『ジョイフル』を焼いて、今夜はダブル・ハンバーグを楽しもう!
そんなふうにして独り飯を盛り上げていくことに、なんら侘しさを感じておりません。どうかご心配されないよう。
あえて食レポすると、やはり焼きと湯煎の味わいは別物です。いかにもステーキなのは、言うまでもなく『ジョイフル』。火による加熱が正統の肉肉しさを引き出すようでした。うっかり添付のペッパーをかけ忘れたのが悔やまれますが、焼くという重責を担わせてもらえたのが楽しかったです。
一方の『ハインツ』は、安定感の高さを感じました。たまねぎの歯応えもしっかりあって、間違いがなかった。それにしても、挽肉の旨味を吸ったデミグラスソースと白飯の相性って、なぜああも最高なんでしょうね。
田村十七男
訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!
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田村十七男
訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!

コジカism
夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。
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