ホーム食べてみた! ~N1の食レポ~冷凍食品コーナーを巡る旅 その7 レンチンでフィニッシュできない冷凍食品があるなんて……

食べてみた! ~N1の食レポ~
冷凍食品コーナーを巡る旅 その7 レンチンでフィニッシュできない冷凍食品があるなんて……

冷凍ショーケースの中のまさか
よく行く近所のスーパーマーケットであれ、冷凍食品コーナーはしょっちゅうのぞいておいて損はないと思いました。旅の入り口として便利に使いすぎかもしれないけれど。
そんなわけで『冷凍食品コーナーを巡る旅』の7回目は、『資さんうどん ぼた餅』 お彼岸に当たるシルバーウィーク中に出会いました。だからこの時期に販売するのか? いや、同じものでもぼた餅と呼ぶのは春のお彼岸で、秋はおはぎに変わるんじゃなかったっけ?
などという小ネタにとらわれるより先に、買うと決めた以外は開けるのを憚られる冷凍ショーケースの取っ手に手が伸びたのは、そこに僕の大好きなあんこ商品があったから。
甘味と言えば小豆のあんこ。なおかつ小豆餡でもっとも贅沢かつ美味に感じるのがぼた餅/おはぎなので、いかなる場所でも目に入れば逆毛が立つようにハッとなるのです。ただしカロリーがなかなかなので、口に入れるのは気持ちが乗ったときだけ。ゆえに僕の中でぼた餅/おはぎは、好きすぎるからこそ特別な存在になっていきました。
それがふと見た冷凍ショーケースの中にあったわけです。まさかぼた餅がレンチンで食せるなんて、冷凍食品の世界は何と奥深いのだろう。などと感銘を受けながらカゴに投入。しかしレジにたどり着くまでの間、ひとつの事柄が頭から離れませんでした。「資さんって、“しさん”じゃない読み方だったような……」
ろくでもない感性で直感的に行動する僕は、いつだって大事なことを後で知ります。
6個入りです。直径6㎝の小粒系です。この時点ではカチカチです。
本当に大事なことは最後の最後になって迫ってくる
食に詳しい方ならご存じでしょう。創業者の愛称を店名に選んだ資さんは「すけさん」と読み、それ以前に『資さんうどん』は北九州発のうどんチェーン店であることを。
それをどこで耳にした覚えがあるのだけど、すぐに思い出せませんでした。もし一度でも『資さんうどん』に足を運んでいれば、その時点で正しい情報が焼き込まれたはず。けれど残念ながら、チェーン店を見たことがありませんでした。
これも調べてみたら、東京には数店舗しかなく、どれも自分の住まいから遠方でした。縁がなかったんですね。だからうどん屋とぼた餅の関係性も知る由がなかった。
しょっぱいものを食べた後で甘いもので締めるのは、北九州独自のカルチャー。北海道産の小豆を使って手づくりされるぼた餅は、チェーン店となっても変わらず継承され、年間数百万個を売り上げるメニューに発展したそうな。おそらく『資さんうどん』でぼた餅を頼まなかったら、「アイツはもぐり」と後ろ指を指されるのかもしれません。
何も知りませんでした。僕は単純にぼた餅にアガッただけ。しかし例によって本当に大事なことは、最後の最後になって迫ってきます。この冷凍食品、レンチンでは食べられませんでした。
左は冷凍庫から出した直後。ラップをかけて自然解凍開始。右は3時間経過後。表面はまだ冷たいものの、だいぶ柔らかくなりました。
久しぶりのぼた餅に満足して終わってもいいのだけど
【お召し上がり方】お皿等に移し、ラップをして自然解凍(約20℃)後に
【解凍時間の目安】自然解凍で5~6時間
以上が包装紙の裏面に記載されていた手順。買うときに確かめろって話ですが、それにしてもレンチンでフィニッシュできない冷凍食品があるなんて……。考えてみれば、温めすぎて湯気が出ている『ぼた餅』は違う気がするから、自然解凍以外に手はないんでしょうね。
いずれにしても美味しく食べたいので、6時間という僕にとっては未知の解凍時間を受け入れてみました。大好きなあんこ物ですから、待てないことはありません。
スマホのタイマーを頼りに実食。6時間を経た本体は縮みも膨らみもせず、これがまた心弾むほど柔らかい仕上がり。こしたあんこは上品な甘さで、不適切な表現ですが、どこまでもちゃんとしたぼた餅でした。
しかし、初の自然解凍冷凍食品なので失敗が無きにしも非ず。6時間後の状況を見誤ったせいで、解凍終了が晩飯直前の午後7時頃になってしまったこと。さらには6個入り中の3個も解かしたこと。すっかりお腹いっぱいになってしまいました。
懸念も残っています。あと3個、計画性を持っていつ食べるか。賞味期限がだいぶ先なのでゆっくり検討できますが、冷凍庫の中で放置しないか心配です。
それから、本物や本場を食べたくなるという、最近の冷凍食品の旅と似たような結末に陥ったこと。果たして、コシのなさを特長とするらしい北九州のうどんの締めにぼた餅が最適なのか、どうしたって実店舗で試してみたくなるじゃないですか。そういう動機を生み出すのは、冷凍食品が仕掛ける典型的なトラップなのでしょうか。まぁ、久しぶりのぼた餅に満足して終わってもいいのだけど、次々開く旅の扉をないがしろにできず、何か困っています。

どこまでいってもこしあんのぼた餅でした。甘すぎないって、小豆餡でもっとも大事なことだと思います。
田村十七男
訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!
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コジカism
夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。
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