
フィルタを読み解く
”ふわふわ”に惹かれる日も、”もちもち”を選ぶ日もある。 ~「食感スイッチ」直感で選ぶ理由~

小腹が空いているとき、少し疲れているとき、軽く何かを食べたいとき。
同じ「おいしそう」でも、その時々で惹かれる言葉は少し変わります。
「ふわふわ」「もちもち」「とろとろ」「しっとり」。
こうした食感ワードは、味の説明というより、食べた瞬間の気分まで想像させる言葉です。買うつもりがなかった商品でも、そのひとことを見た瞬間に「なんだかおいしそう」と感じることがあるのではないでしょうか。
「KSPレンズ」では、こうした食感や口あたりを想起させる表現を持つ商品を、「食感スイッチ」というフィルタで見ることができます。
「KSPレンズ」のPOSデータを見ると、「食感スイッチ」対象商品は、金額・数量ともに伸びが見られています。菓子やデザートだけでなく、冷凍食品や惣菜など、すぐに食べる場面に近い商品でも確認できるようです。
中でも目に留まるのは、「ふわふわ系」や「もちもち系」といった、食べたときの満足感を想像しやすい食感です。「もちもち系」は売上の構成でも上位に入り、伸びも見られました。食感の言葉は、商品の特徴を伝えるだけでなく、店頭で「今の気分に合いそう」と思わせるきっかけになっているのかもしれません。
同じ食感ワードでも、受け取られ方は少しずつ違います。
軽く満たされたいときは「ふわふわ」。しっかり食べたいときは「もちもち」。少しほっとしたいときは「とろとろ」や「しっとり」。生活者は、必ずしもそこまで細かく考えて商品を選んでいるわけではないはずです。それでも、食感ワードを見た瞬間に、食べたときの感覚がぱっと浮かぶことはありそうです。
「今日はこれくらいがちょうどいい」
「少しだけ気分を満たしたい」
「この口あたりなら、今食べたいかも」
そんな小さな気持ちの動きが、食感を手がかりにした購買につながっているのかもしれません。
少し面白いのは、別のトレンドフィルタである「グミ」の詳細でも、「もちっ」とした食感の伸びが見られている点です。見方や付与の方法は異なりますが、“もち系”の食感が複数の切り口で浮かび上がっているのは、売場を見るうえでひとつのヒントになりそうです。
もちろん、これだけで大きなトレンドを語ることはできません。
ただ、味や価格だけでなく、「どんな食感を求めているのか」という視点を加えると、いつもの商品も少し違って見えてきます。
代表商品>
・森永 パリパリバー<バニラ> 48ml×8
・日本ハム とろける4種チーズのハンバーグ 3個 246g
・ふんわりワッフル(北海道産牛乳ホイップカスタード)4個
「KSPレンズ」には、「食感スイッチ」のように、商品名や特徴から生活者の選び方を考えるためのフィルタがあります。
「ふわふわ」「もちもち」「とろとろ」といった言葉が、どんな商品で、どんな場面で選ばれているのか。そんな視点から商品を眺めてみると、生活者の“おいしそう”が動く瞬間に、少し近づけるかもしれません。
使い方に関するお問合せはこちらからお願いいたします
お問合せおすすめ記事

冷凍食品コーナーを巡る旅 その4 うどんワンプレートとの出会いと、冷凍食品でうどんを選ぶ理由
誰も覚えていないでしょうが、第1回はカレーうどんだった冷凍食品コーナーを巡る旅。この記事を書くために始めた試みではあるけれど、ささやかだから続くのか、どのスーパーマーケットに行っても必ず冷凍食品コーナーをのぞくようになりました。規模や品揃えはそれぞれながら、力を入れている店はインディーズっぽい商品があったりして、なかなか楽しいです。そんなわけで第4回目の旅で出会ったのは、『うどん和膳 彩り野菜かき揚げとちくわ天』 カレーうどんの回でも触れましたが、特にうどんが好きなわけではありません。なのにまたしても冷凍食品のうどんを選んだのは、パッケージの写真が美味しそうに見えたから。この商品のとなりには、同じテーブルマークの『うどん和膳 おろし豚しゃぶと揚げ茄子』がありました。そっちを選ばなかったのは、かき揚げが好きだから。その時点でパッケージ写真に写っていた卵焼きやちくわ天は見落としていたのですが、ここで何が言いたいかというと、記事化が最終目的であれ、あくまで一消費者としての衝動に駆られた商品を選ぶことがこの旅の条件であることです。ネタのおもしろさ優先で口にしたくないものを選ぶと、古臭いユーチューバーみたいになりそうだし。などと正当性をかざしながら実食へと展開していきますが、今回もまた決して捨て置けない冷凍食品世界の進化と驚異に触れることになります。

田村十七男
加工食品Newおいしさの背景まで楽しみたい?――プロセス公開型の飲食体験が広がる理由
最近、焙煎所やブルワリーを併設したカフェ、酒屋の一角で飲める現代風の角打ちなど、つくる・選ぶ・味わうが一体化した飲食空間が広がっているように感じます。たとえば、2026年3月に天王洲アイルにオープンした「BREWS」は、クラフトビールのブルワリーとコーヒー豆の焙煎所、直売カフェを組み合わせた複合施設です。食べログマガジンでは、作り手とゲストが直接つながる「クラフトの聖地」として紹介されています。こうした動きは、単に“おいしいものを飲む”だけでなく、おいしさが生まれる過程まで含めて楽しみたいという欲求の表れなのかもしれません。
Newゲストに会いに行く 2026夏 Day16 @スペイン サンティアゴ巡礼
View this post on Instagram
New