ホームこれって兆し?“映える食”の次は、あえて見ない? 感覚を研ぎ澄ます食体験の兆し

これって兆し?

これって兆し?

“映える食”の次は、あえて見ない? 感覚を研ぎ澄ます食体験の兆し

見せる食体験から、「見ない」食体験へ?

最近の食体験では、映像や音、演出を重ねた“没入型”が増えてきました。ところが、その逆方向ともいえる提案も出ています。あえて視覚を遮り、味や香り、触感に意識を向ける体験です。

2026年3月、ニュウマン高輪 MIMUREに「Dialog in the Dark 5-1=∞ Lab.」がオープンしました。第一弾は、OGAWA COFFEE LABORATORY 高輪と共創したコーヒープログラム。参加者は完全な暗闇の中で豆に触れ、香りを感じ、コーヒーを味わいます。約80分、視覚を使わないことで、普段は背景に回りがちな嗅覚や触覚、味覚へ意識を向ける設計です。

「何を見るか」から「どの感覚を使うか」へ

同じ“感覚遮断”ではありませんが、周辺にも似た方向性が見えます。2026年には日本ブラインドテイスティング協会が大会や講座、認定制度などを展開。また、アンダーズ 東京では香水ブランドとのコラボで、香りと味わいを組み合わせたアフタヌーンティーを展開しています。食体験を「何を見るか」だけでなく、「どの感覚に集中するか」で設計する動きが見えてきました。

背景には、日常で受け取る情報量が増える中、刺激をさらに足すこととは逆に、あえて情報を減らすこと自体が非日常になるという変化があるのかもしれません。生活者にとっては、知っている味を別の角度から発見する機会にもなります。

商品を変えず、「感じ方」を変える

メーカー側にも応用余地があります。例えば、パッケージを見せずに香りや食感を比べる試食、音を抑えて咀嚼感に集中する体験、香りだけを手がかりに素材を当てる企画など。商品そのものを変えなくても、感覚の使わせ方を変えることで、新しい価値を提示できる可能性があります。

まとめ

暗闇で食べる体験自体は、まだニッチでしょう。ただ、重要なのは暗闇そのものではなく、「感覚を足す」のではなく、「一つ引くことで残った感覚を際立たせる」発想です。

映えることが体験価値の中心だった流れの隣で、「見ないからこそ味わえる」という方向も、これから少しずつ広がっていくのでしょうか。

参考情報

・Dialog in the Dark 5-1=∞ Lab.「暗闇でコーヒーを味わう新体験」(2026年3月)
公式サイトを見る

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