ホームコラム 熊野古道から世界のイマを届ける第1回:脱サラして田舎に移住した変な奴がやるカフェと宿in熊野古道

コラム 熊野古道から世界のイマを届ける
第1回:脱サラして田舎に移住した変な奴がやるカフェと宿in熊野古道


熊野古道沿いのカフェと宿・熊野野菜のオーナーのナカオカシノです。熊野古道の中辺路ルートと言われる熊野古道を歩くルートで人気なエリアに熊野野菜カフェとGuest House 熊野野菜・熊野野菜BASE・熊野野菜Cottageの3つの宿を展開しています。お客さんの9割以上が海外からのインバウンドの方たちです。
素人がカフェや宿をやるきっかけって?
和歌山に来て、そろそろ10年目に入る今、その10年を振り返ると、ここには書けない大変なこともありました。20歳の頃に取得した免許は、こちらに住むまで1度も運転したこともなく、エンジンのかけ方さえうる覚え。そもそもここに住む前は、大手広告代理店やネットメディアに勤めていて、飲食関係やホテルに勤めた経験などもありません。まったくのド素人が田舎に移住してはじめたのが熊野古道沿いのカフェでした。地元の人から宿のごはんを作るのを手伝って欲しいと言われ、カフェをオープンしないか?と誘われたのがきっかけで、構想して1年近くの足止めがあったものの、場所が決まれば、あれよあれよと3ヶ月ほどでカフェができました。「よく飲食店なんてやる気になったな?」と当時の自分には言ってやりたいです。
新手のドーナツですか?ベーグル事件

和歌山に来て、カフェで売りはじめたのは自家製のベーグルでした。なぜベーグルにしたのか?それは「自分が好きだから」。熊野野菜カフェのメニューは基本“自分”が「好きだから」や「美味しいと思える」ものにしています。大手の飲食店であれば流行や時代の流れなどを加味するのかもしれませんが、ちょっと強風が吹けばつぶれてしまうような小さなカフェでそれを追いかける必要もないなと今でも思っています。
自分の好きなベーグルを売りはじめて、日本人のお客さんに言われたのは「これ、ドーナツですか?」。びっくりしました。若い人も年配の人もベーグルを知っている人がここ辺にはほとんどいなかったのです。もちろんベーグルの食べ方も知らないので、最初はベーグルの食べ方の紙も用意して配布するようにしていました。ベーグルは少し硬いため、年配の人には嫌われがち。それを食べてもらうために「レンジでチンする方法」、若い人たちには外側のパリッとした食感と中のもっちりした食感を楽しめる「トースターで焼く方法」を伝えました。2018年ごろにはパン屋でもベーグルを作っているところがほとんどなかったのが、2025年現在、和歌山県内にベーグル屋ができ、パン屋でもベーグルを売っているところが増えました。都会からするとかなり遅いですが、ベーグルブームが和歌山にも来た瞬間でした。
ブログやSNSが発達した現在、熊野古道を旅するインバウンド旅行者にも「ベーグルはありませんか?」と買いに来てもらうことが多くなりました。
家具を置く場所を探していたら、宿ができた?
そんなカフェをはじめて1年がたった頃、東京に持っていた家を処分することになりました。東京にあった家具をこちらに持ってきても現在住んでいる家には置き場所もなく、「東京からの家具を置く場所ってないだろうか?」と近所の人たちに言ってまわっていると、「売りたいと言っている家があるよ」と教えてもらったのが、現在のGuest House熊野野菜。
どうせ家を買うなら、家にお金を生み出してもらって、家の改修費にできないだろうかと考えたのが1棟貸しの宿です。
宿の経験もないので簡易宿泊所の許可を取る方法を調べていると、家の土地(こちらは私のもの)と上家の持ち主が違うことがわかりました。田舎あるあるですが、登記上と実際の持ち主が違う為、許可に必要な「委任状にハンコ」をとる必要がありました。登記にあるのは140歳のおばあちゃん。あとになって固定資産税を払っている証明ができればこの委任状はいらないということを知ったのですが、当時は知らないので、地域の人たちをずっと診てきた近所の診療所の先生が知っているのではないか?ということで、診療所におしかけ、おばあちゃんの孫だろうという人を紹介してもらいました。孫といっても私より年上で、そのお子さんとなると90歳を超えていました。
そして2件目の熊野野菜BASEは、近所のじいちゃんに「おまえ、宿やってるらしいけど家買わないか?」と持ちかけられたのがきっかけでした。
あれよあれよとカフェができ、1年後に宿をつくり、またその1年後に2件目の宿ができました。そしてその頃になって流行ったのがコロナでした。
次回
ナカオカシノ
熊野古道の人気の中辺路ルートに宿・次世代教育を展開する合同会社うめぼしの代表。そして、熊野野菜カフェのオーナー。東京の大手代理店を辞めて、突然移住したのは、縁もゆかりもない熊野古道がある和歌山県紀南地域だった。
インバウンド観光客であふれるここ熊野古道から見た、世界のイマを旅行者たちとの実体験とともにお届けします。
合同会社うめぼしでは、宿やカフェを使ったインバウンド観光客へのアンケート調査/商品サンプリングなどを酒造メーカーと展開したり、宿業や飲食店をやりたい人への教育プログラム開始し、宿やカフェを超えた取り組みを一緒に展開できる企業を募集中。
お問い合わせ:nakaoka@umebosi.jp
合同会社うめぼし:https://umebosi.jp/
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