ホーム食べてみた! ~N1の食レポ~「ゆで時間3分」に改められた典型的な男の自己肯定感

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「ゆで時間3分」に改められた典型的な男の自己肯定感

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田村十七男
田村十七男

せめて『早ゆで』に至った経緯をお話させてください

久しぶりに、自宅の独り飯でよく使う食材について触れます。

自炊というものをやるようになってから、手掛ける回数ナンバーワンがパスタ。『男の料理』の典型みたいで気恥ずかしくなるけれど、具材やソースを変えながらあれこれつくり込めるのがおもしろいと感じるのは事実です。

さておきここでは、ずいぶん前にトマト系パスタソースを取り上げました。なのでパスタ関連は2回目になりますが、何を書いたか忘れたので読み返したら困ったことになったのです。

「近頃主流になっているのは、フライパンひとつでつくるワンパン・パスタ。麺の茹で時間とソースの量の兼ね合いを考慮した結果、茹で時間3分で1.6㎜の早茹でロングパスタによって安定の決着を迎えている」

って、ダメじゃん! ネタは細かく切り刻んで順番に持ち出さないと、後々自分の首を絞めるのに……。

そんなわけで、過去回はなかったことにして進めます。今回ご登場いただくのは、『マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast 1.6mm チャック付結束タイプ』 この優れた商品を多用している理由はすでに自白していますが、せめてそこに至った経緯をお話させてください。

フライパンひとつで仕上げるワンパン・パスタ。『マ・マー 早ゆでスパゲティ』は一束100gなので、「これ以上は大盛にはしないぞ」という決心を支えてくれます。

困難を極めたワンパン・パスタのレシピ

しかし経緯と言ったって、早く茹で上がるパスタの利便性に気づいたからに他なりません。でも、『マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast 1.6mm チャック付結束タイプ』のパッケージにでかでかと表示されている「ゆで時間 3分」には、しばらく抵抗したのです。

なぜなら、カップ麺みたいな手軽さを受け入れてしまえば、ちゃんと暮らすために自炊を続けようとする自分の気概や目標に背くことになるから……。

なかなか面倒臭い男という自覚はあります。しかし、時短だの経費削減だのといった一般企業が差し迫られるような課題を自分のキッチンに持ち込みたくなかったんですね。なおかつ少なくともパスタ料理に関しては、誰に提供するわけでもないのに、失敗を繰り返しながらも少しずつ前進してきた自負もあった……。

え~と、けっこう大袈裟な男という自覚もあります。それでも結局は「ゆで時間 3分」に行き着いているので、ここまでの話もなかったことにしたほうがこの先スムーズでしょう。

ここで再びワンパン・パスタの特性を。具材やスープを調理したフライパンの中で麺を茹でるのがワンパン・パスタ。僕がこの方法に興味を持ったのは、手軽さなどではなく「もっと美味しくなるのか?」が理由でした。

そうしてSNSあたりで紹介されている様々なレシピを試してみたのだけど、なかなか思ったようにならなかったのです。困難を極めたのは、麺の茹で上がりに対して「お玉一杯分のゆで汁を残す程度」という指示。たいがいは、麺が良い頃合いに茹で上がる前にスープがなくなってしまう。「その場合は水を足す」と記されていても、足すほどに味がぼやける。これには何度もくじけそうになりました。

具材とスープをつくったフライパンに乾麺を投入。このときは、鶏肉とエリンギとほうれん草を放り込み、最後に牛乳で煮詰めるごちゃまぜパスタをつくりました。手軽ではないけれど、簡単です。

いとも簡単に調整できた「お玉一杯分のゆで汁を残す程度」

当事の僕は、それまで使っていた太さ1.6㎜で茹で時間7分のロングパスタを譲りませんでした。けれど後から思えば、ワンパンの難しさに悩んでいた時点で『早ゆで3分』のパッケージがスーパーマーケットで目に留まっていたのだから、すべては若気の至り的な無駄な抵抗だったわけです。

「でもなあ」と抗ったのは、スープとともに茹でることでパスタのでんぷんが溶けだし、一方ではパスタにスープがしみ込み、最良のとろみと美味さを生み出すワンパンの特長が、たった3分で実現できるはずがないと思ったから。

なのに「一度だけ」と試した柔軟性があったからこそ、僕はここにいられるのでしょう。『マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast 1.6mm チャック付結束タイプ』はお見事でした。「お玉一杯分のゆで汁を残す程度」がいとも簡単に調整できるなんて! 

『FineFast』は麺に切り込みを入れて茹で時間を短縮する製法なんだそうな。どうでもいい見栄やこだわりをそっと取り除いてくれる食品開発者の方々に心から感謝します。

ただし、あくまでの僕の方法では3分で茹で上がらず、さらに1~2分かけてスープがなくなるまで茹でると、最良のとろみにたどり着けます。そこに至るまでつきっきりなので、手軽や時短とは無縁。けれど「料理つくってる!」という自己肯定感は強い。それもあるいはつくり込みを楽しみたい男が典型的にハマる料理たる由縁なのかなと。

そうして麺の茹で時間とソースの量の兼ね合いを考慮した結果、「ゆで時間 3分」に帰結した。などというもっともらしい御託を並べられるのが独り飯の特権。ということで今夜も、誰にも邪魔されないワンパン・パスタに取り掛かります。

田村十七男

訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!

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  • 田村十七男

    訳あって十数年前に一人暮らしを選んだ際、「ちゃんと暮らす」という目標を掲げた60代前半のフリーランスライター。目標に関して言えば、それまで人任せだった料理に取り組める自分の意外性を知り、我が人生の大発見と自負しております。誰にも気兼ねしない自由と、親譲りの貧乏性がせめぎ合うスーパーマーケットで、今日もお買い物!

  • コジカism

    夫と中学生の娘との3人家族。 フリーランスで自宅を仕事場にしながら、 娘のお弁当づくりと、近くに暮らす高齢の母のケアをワンオペでこなす日々。 「旬のものをバランスよく食べさせたい」という理想と、 「外食も好きで手抜きもしたい」という本音の間で格闘しつつ献立を模索している。 和食、特に魚が好きな娘に合わせ、 焼き魚と具だくさん味噌汁との組み合わせが食卓に登場する頻度が高い。 自分のためだけの食事づくりは徹底的に手を抜く。

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