ホームこれって兆し?生活者のひと言が公式プロジェクトに?――メーカーがUGCに参加するということ

これって兆し?

これって兆し?

生活者のひと言が公式プロジェクトに?――メーカーがUGCに参加するということ

ふたりのやり取りから生まれた“協会”

SNSで大きく拡散された投稿を、企業が商品企画や広告に活用する例は珍しくなくなりました。

一方、ハナマルキが2026年7月に発足した「液体塩こうじ どうやって使うねん協会」は、少し異なる始まり方をしています。
きっかけは、料理イラストレーターとフォロワーのX上でのやり取りでした。「液体塩こうじどうやって使うねん協会所属」というフォロワーの言葉をハナマルキが発見し、本人へアプローチ。その言葉を、そのまま公式プロジェクトへと発展させました。

大規模なUGCではなく、数人の会話から生まれた小さな声を起点にした点が、この取り組みのユニークさといえそうです。

※UGCとは「User Generated Content」の略で、SNSの投稿や口コミ、レビューなど、企業ではなく生活者によって生み出されるコンテンツを指します。

「どう使う?」を生活者と考える

液体塩こうじは、肉や魚の下味、味付けなど幅広く使える一方、新しい利用者にとっては「何に、どう使えばよいのか」が分かりにくい調味料でもあります。

ハナマルキはこれまで900以上のオリジナルレシピを開発してきました。それでも残る「良さそうだけれど、毎日の料理にどう使うのか」という疑問に、今回の企画は正面から向き合っています。

上級者が使い方を教えるだけでなく、初心者も同じ目線で活用法を模索する設計にしたことで、「分からない」という状態そのものが、参加の入口になっています。

メーカーが生活者の会話に加わる

注目したいのは、企業が投稿を見つけて紹介するだけで終わらず、発言した本人へ連絡し、協会を発足させ、料理インフルエンサーや利用者を巻き込む活動へ広げたことです。

協会では、Xを中心にレシピや基本的な使い方を発信するほか、専用ハッシュタグを通じて、利用者からも活用法を募集します。

これはUGCを企業側が一方的に“利用する”というより、メーカー自身が生活者の会話に参加し、話題が育つための場をつくる動きと捉えられます。

大きな反響を待たず、商品への疑問を含んだひと言に意味を見いだし、公式の活動へ動かした。その視点と軽やかさに、メーカーができることの広がりが見えてきます。

小さな声が商品を育てる?

使い方が固定されていない調味料や新しい加工食品では、「興味はあるが、使いこなせない」という声が生まれがちです。

そうした声をFAQやレシピ追加だけで解決するのではなく、生活者同士が試し方を持ち寄るコミュニティへ発展させれば、商品理解だけでなく、メーカーが想定していなかった用途の発見にもつながるかもしれません。

まとめ

「液体塩こうじ どうやって使うねん協会」は、生活者の投稿を宣伝素材にするだけでなく、公式の活動へと育てた事例です。

UGCの価値は、投稿数や拡散規模だけでは決まらない。 小さな会話の中にある商品課題や生活者らしい言葉を見つけ、メーカーもその輪に加わること。そこに、UGCを起点とした商品育成やコミュニティづくりの、新しい型が隠れていそうです。

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